公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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活動成果

【掲載日】2025年02月25日(火)

[開催報告]2024年度 第3回 検査・処置・手術安全セミナー(1/23)を開催しました

【開催日】 2025年01月23日(木)
【部会名】 検査・処置・手術安全部会

活動成果

2024年度第3回 検査・処置・手術安全セミナー
「他施設の取り組みから学ぶ身体拘束最小化」

 

 今年度第3回の検査・処置・手術セミナーは、2025年1月23日(木)17時30分~18時30分に、テーマは「他施設の取り組みから学ぶ身体拘束最小化」としてオンライン形式(zoomウェビナー利用)で開催しました。

 

 身体拘束は、患者の基本的人権を侵害するだけでなく、患者に身体的・精神的な弊害をもたらし、患者のQOLを損なうことから、厚生労働省の身体拘束ゼロ作戦推進会議より「身体拘束ゼロへの手引き」が平成13年に発行され、各施設で最小化に取り組んできました。令和6年度には診療報酬改定にて身体拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関については、入院基本料の所定点数から1日につき40点を減算することが示されました。そのため、各施設の職員が身体拘束最小化にそれぞれがどのように向き合い取り組むのか、2024年10月9日(水)に第1回検査・処置・手術安全セミナーで「その身体拘束、誰を守るためのもの?」とのテーマで2名の先生方より講演をいただき、視聴者から高く評価をいただきました。

 

 今回はその第2弾として、自施設の現状確認及び課題発見につながることを目的に実践的な取り組み報告を企画し、3施設から発表をいただきました。事前に「お悩み」を募集したところ「医療安全対策」「身体拘束最小化評価」「身体拘束実施の判断、実施時の評価、観察」など多くの質問が寄せられ、自施設での取り組みに試行錯誤していることもわかりました。そのような状況もあり、今回のセミナーへの参加申し込みは約680名(病院数約400施設)となりました。質問も多く寄せられ、多職種で取り組む際の医師との協働の仕方や身体拘束最小化を評価する指標を何にするのか、指標とするもののデータをどのように集積するのかなど具体的な内容が見受けられました。また視聴者アンケート結果から「有意義」「やや有意義」の回答割合が、98%得られ、自施設における取組の参考となったのではと考えます。

 

 事例報告1では、北里大学病院の看護師長、熊坂真由美先生から「多職種で取り組む身体拘束最小化」を紹介いただきました。身体拘束最小化ワーキングを病院組織として発足し、副院長リーダーのもと多職種で活動されていました。活動内容としては、患者・家族の理解支援のためのリーフレット作成や職員の意識を持続させるためのポスター作成、全職員向けの研修、身体拘束最小化ラウンドが行われており、医療者のみならず患者、家族とのパートナーシップを形成した取り組みが印象的でした。

 

 事例報告2では、高岡市民病院の認知症認定看護師、西田律英先生より「複数の転倒リスクがある患者の転倒予防策~転倒予防と抑制軽減への効果~」について紹介いただきました。転倒・転落発生に関わる問題点を詳細に分析され、転倒・転落の要因となるせん妄の理解と薬剤の調整を多職種で行っていること、患者のニードを把握した先回りケアをするための巡視方法を変更したことなどにより転倒・転落発生率は減少し、更に身体拘束率の低下につながったことが印象的でした。

 

 事例報告3では、社会福祉法人信愛報恩会信愛病院の看護部長、金子友美先生より「身体抑制廃止宣言から24年~患者の尊厳を守るために~」について紹介いただきました。信愛病院は2000年に「抑制廃止宣言」を行い、職員が一丸となり現在までその信念を貫き通しております。病院の方針は新入職した医師へ病院長から伝えられており、多職種で取り組む姿勢もうかがえました。24年間活動されて現在は身体拘束最小化委員会にて現状と今後の課題も整理されており、患者の人権、尊厳を考えることに病院が非常に重きを置いている姿勢に感銘しました。

 

 第1回のセミナー及び今回の実践報告が、各施設の身体拘束最小化に取り組むきっかけや問題解決の一助となることを願いたいと思います。

 

 

 

 

 

検査・処置・手術安全部会 部会員 箱田 美知恵

(北里大学病院 医療安全推進室 師長補佐)


 

 

◆ 検査・処置・手術安全部会 部会員一覧

部会紹介 > 検査・処置・手術安全部会

 

 

◆ プログラム(敬称略)

■開会挨拶・検査・処置・手術安全部会の活動について

長谷川 隆一(部会長/獨協医科大学埼玉医療センター 集中治療科 学内教授)

 

■事例報告

座長:箱田 美知恵(部会員/北里大学病院 医療安全推進室 師長補佐)

報告①

演者:熊坂 真由美(北里大学病院  看護部 師長)

報告②

演者:西田 律英(高岡市民病院 認知症看護認定看護師)

報告③

演者:金子 友美(社会福祉法人信愛報恩会 信愛病院 看護部長 )

 

■質疑応答・全体協議

座長:箱田 美知恵

進行:長谷川 隆一

 

■総括・閉会挨拶

長谷川 隆一

 

 

◆ アーカイブ配信

2025年2月25日(火)~2025年8月31日(日)まで、会員病院限定でアーカイブ配信をしています。

➡2025年度 第3回 検査・処置・手術安全セミナー(アーカイブ配信)

 

 

資料

・配布資料

・お悩み募集に寄せられた質問への回答

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