公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2018年11月19日(月)

事例番号 521

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
トイレ
【関連したもの】
杖、ドア
【精神・意識障害の有無】
なし
【発生内容の分類】
転倒
【主な原因】
B. 物の性能のリスク
発生内容

杖歩行自立患者。トイレに入る際、身障者トイレの自動ドアが閉まってきて、ドアに押され、転倒。麻痺側の鎖骨骨折となる。

詳細
PTが音を聞いて、麻痺側を下にして転倒している患者さんを発見し、車椅子介助する。実際に転倒したところはだれも見ておらず、ご本人に状況確認した。リハビリ後、リハビリ室前にある身障者トイレに一人で杖歩行し入る際、閉まってきたドアに押され転倒したとのことであった。左肩痛ありレントゲンにて鎖骨骨折が判明した。
考えられる要因

自動ドアは本来なら体などに反応し閉まらないが、床上20cm位の所にあるセンサーが反応しなかったのか、中にある手をかざすと閉まるセンサーを押してしまったか、閉まり続けたドアに押されてバランスを崩し転倒してしまったとのこと。目撃者なく詳細は不明。

対策

業者を交えて、リハビリ前の身障者トイレの自動ドアの検証を行った。ドアは20cm/秒の速度で閉まる設定(一般的)。開いてから1分後に自動で閉まる。閉まる圧は最小にしても、閉まり続けた場合押される感じあり。ただ、最小にした場合、ドア自体が重いので、故障する恐れありとのこと。電源を切った場合に手で閉めるのは相当な力が必要となる。足元のセンサーがキャッチした場合と、体を使って少し押し返すと再び開く設定になっていた。PT・業者・医療安全管理者にて検討した結果、閉まる速度を半分に設定(10cm/秒)し、1ヵ月後評価することとなる。回復期リハビリ病棟の身障者トイレと2箇所を半分の速度に変更した。1ヶ月後、速度が遅いなど問題となる評価はなかったため、医療安全管理委員会にて、この2箇所はこのまま半分の速度設定を続けることとした。その他の病棟は、速度は変更せず様子を見ることになる。

資料

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