公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2019年08月30日(金)

事例番号 668

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
ベッド、ストレッチャー、スライディングボード
【精神・意識障害の有無】
不明
【発生内容の分類】
その他
【主な原因】
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
発生内容

病室ベッドからストレッチャーへの移乗時に発生した頭部外傷

詳細
 機械浴での入浴レベル(介助量多大)の患者さんに風呂場へ移動をしていただく際、病室のベッドからストレッチャーへの移乗があり、介助支援用具であるスライディングボードを使用しての2人介助という手順がある。  今回、当事者となった介護士が介助量多大の患者さんをベッドからストレッチャーへ移乗する際のルールとスライディングボード使用時のルールを逸脱したため、外傷発生の事象につながった。
考えられる要因

 問題点として挙げられるのは、介助量多大の患者さんの移乗は2人以上で行うのが原則であったが、当日の業務の慌ただしさからスタッフが単独で移乗介護を進めてしまったこと、もう一点はスタッフがベッドとストレッチャーの高さを調整しない状態でスライディングボードを用いてしまったことである。スタッフへの聴き取りやその後の現場検証から、目測ではベッドとストレッチャーの高低差は数センチであった(ベッドの左側に位置させたストレッチャーの方がベッド面よりも少し高い状態であった)。高低差のある状態で無理に移乗をすすめたことで患者さんはスライディングボード上で背臥位から左側臥位になり、さらに押し込んだことでストレッチャー側に移乗した時点では腹臥位に近い状態となって、不均等にスライディングボード上を移乗した患者さんの身体は平行になっていなかったこともあり、右側頭部をストレッチャーのサイドガードにぶつけてしまうこととなった(受傷後に皮下血腫の診断を受けた)。

対策

 以降は言うまでもなく、・原則的なルールの順守、徹底することをあらためて発信した。・(使い方によっては危険が生じる)スライディングボードの使用方法を再確認する意味を含め、実技内容をメインにした体験型学習会を開催した。

資料

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