【掲載日】2021年03月01日(月)
画像(CT)診断レポートの確認 患者を守る「5つの取り組み」の提案
【発信日】 | 2021年03月01日(月) |
【部会名】 | 検査・処置・手術安全部会 |
活動成果
画像(CT)診断レポートの確認
— 患者を守る「5つの取り組み」の提案 —
近年CT 検査等の画像診断レポート(以下「レポート」)の担当医による未確認や確認不足により、適切な診断がなされず治療開始が遅れ、患者の予後に影響を与えた事例が多数報告されている。既に、学術団体や厚生労働省の事業からは、背景にあるレポート管理システムの標準化の遅れに対し、重要レポートへの電子的なフラグ付与や未読・既読の判定といった病院情報システム(電子カルテ)における機能改善についての複数の提言が発信されている。また放射線科医師の不足による担当医との連携不足について根本的な課題が背景としてあるものの、現時点では各施設の責任において対応が求められている。
認定病院患者安全推進協議会(PSP)会員病院には中小規模病院も多く、多額の費用を要する情報システムの改修や医師確保という対策を実行に移すことは必ずしも容易ではない。 この現状を踏まえPSP 検査・処置・手術安全部会では2018 年度より画像診断レポートの問題に関するグループワークやセミナーを開催し、参加者と議論を重ねてきた。その結果、最も重要な目的は、病院情報システムの利用の有無にかかわらず、患者からみて重要な情報の流れを最後に患者に伝えるところまでつなげることであるとの結論に達した。この目的を実行するための対応策を「5 つの取り組み」として提案することとした。これらを実施することで多職種間での情報伝達の在り方への意識を高め、組織の連携を強化して、患者にとって有用なレポート活用につながることを期待する。
認定病院患者安全推進協議会 検査・処置・手術安全部会 部会長
長谷川 隆一