【掲載日】2022年10月25日(火)
事例番号 807
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
エレベーター
エレベーター
【関連したもの】
点滴スタンド、エレベーター
点滴スタンド、エレベーター
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
挟み込み、ドレーン・チューブ
挟み込み、ドレーン・チューブ
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
エレベーターに乗ろうとした患者の点滴ルート挟み込み事例
点滴中の患者が単独で病棟外に出かけていた。病棟に戻る際、エレベーターホールに到着すると、ちょうど開いていたエレベーターがあったため、開閉ボタンを押さずにそのまま乗ろうとした。点滴スタンドを先にエレベーター内に入れたところで扉が閉まってしまい、点滴ルートを挟んで患者はエレベーターの外、点滴スタンドだけがエレベーター内に閉じ込められた。そのままエレベーターが動き出し、患者はとっさの判断で点滴ルートを引きちぎった。 患者は別のエレベーターで病棟に戻り、看護師に報告した。 エレベーターを捜索すると、点滴スタンドと点滴ボトルだけが残っており、点滴ルートは見当たらなかった。エレベーターの床面に約3cmのすき間があり、そこから落下した可能性がある。
・エレベーターの開閉時間を5秒に設定している(車椅子用ボタンを押した場合は10秒)。本事例では、開いているエレベーターにボタンを押さずに乗ろうとしたが、この時、エレベーターが閉まる寸前だったと考えられる。
・センサーは、ドア部分の下方にある光電管装置が2本のタイプである。点滴スタンドはセンサーを通過したと思われるが、何らかの事情で5秒が経過し、患者が乗り込む前に扉が閉まってしまった。
・ドア開閉時間の延長を検討している。ただし当院の建物の構造、エレベーター使用状況から、エレベーターの待ち時間がさらに長くなり、クレームや搬送等の業務に支障を来たす可能性がある。
・現在の光電管装置(2本)を、マルチビームドアセンサー(ドア部分のほぼ全面にあるセンサーで乗り降りを感知する)に変更することを検討中。
エレベーターホール
光電管装置
床面のすき間約3cm
光電管装置とマルチビームドアセンサー