【掲載日】2022年10月25日(火)
事例番号 808
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
エレベーター
エレベーター
【関連したもの】
点滴スタンド、エレベーター、ドア
点滴スタンド、エレベーター、ドア
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
挟み込み
挟み込み
【主な原因】
A. 患者による使い方・置き方のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
A. 患者による使い方・置き方のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
エレベーターの扉に点滴ルートが挟まり、ルートがちぎれた
3機あるエレベーターの左側の扉が開き、乗っていた人が降りてきたため、患児と母親がそのエレベーターに乗ろうと移動した。患児の母がエレベーターの外にある「↑」ボタンを押し続けながら、先に患児をエレベーターに乗るよう誘導した。そのとき、エレベーター内に人は乗っていなかった。 患児は点滴をしており、点滴スタンドを体の前においてエレベーターに乗り込もうとしたが、点滴スタンドがエレベーター内に入った時点で扉が閉まってきたため、驚いて点滴スタンドから手を離して体をひいた。 母は慌てて外の「↑」ボタンを押し、点滴スタンドを取ろうと手を延ばすが間に合わず扉が閉まった。点滴スタンドのみエレベーター内に取り残され、点滴ルートを扉に挟んだ状態でエレベーターは上昇を開始した。点滴ルートが上部に引っ張られたが、扉の最上部辺りで三方活栓前から断裂したため児は引き込まれなかった。
エレベーターの扉には障害物を検知するセンサーがついていなかったため、患児や点滴スタンドが存在したにも関わらず扉は閉まった。 セーフティーシューは備えていたが、ルートが柔らかかったため検知せず安全装置が作動しなかった。 エレベーターの「↑」を押しても、閉まりかけた扉が開く仕様にはなっていない点について、教育や掲示などが不足していた。
エレベーター「↑」を押した場合に、扉を開くように制御を変え、周知を行った。扉付近に障害物を検知するセンサーを設置し、安全装置を追加することを検討していく。