【掲載日】2023年12月11日(月)
事例番号 856
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
トイレ、扉
トイレ、扉
【関連したもの】
歩行器、段差、床
歩行器、段差、床
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
転倒
転倒
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
トイレの吊り扉の間仕切り板の段差に歩行器の車輪が引っ掛かり患者が転倒した事例
患者は歩行器を利用してトイレから出ようとしたところ、吊り扉の間仕切り板の段差に歩行器の車輪が引っ掛かり、前方に転倒した。患者の後ろには看護師が立っていて、支えようとしたが支えられなかった。患者に大きなけがは発生しなかった。院舎は築26年の経年劣化で床材がへたり、間仕切り板が段差となっているところが散見されていたため硬質のスポンジテープで段差を解消していたが、スポンジ自体も弾力性が低下していた。歩行器の車輪のサイズでは小さな段差でも乗り越えられないことがある。また患者は筋力低下のため歩行器の前方に体重をかけて歩行していたことも転倒しやすかった要因であると思われた。
床材の経年劣化。段差解消のためのスポンジ材の柔軟性低下。歩行器の車輪の大きさ。
吊り扉なので間仕切り板が無くても開閉に支障がないため、間仕切り板を除去し床材で補修したいが、間仕切り板は床のコンクリートにしっかりと固定されていて簡単には除去できない。そのため新しいスポンジ材で補修し直して対応している。
写真は今回の対策前のもの。対策前後で見かけ上の変化はない。