【掲載日】2023年12月11日(月)
事例番号 867
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
廊下
廊下
【関連したもの】
点滴スタンド
点滴スタンド
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
転倒
転倒
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
点滴スタンドを使用して歩行中の転倒骨折事故
維持透析をしている杖歩行の60代女性。感染性腸炎で入院4日目、点滴スタンドを押しながら独歩でコンビニへ行く途中に1階廊下で転倒した。左大腿の疼痛が強く、診察したところ左大腿骨頚部骨折の診断となり、同日緊急手術となった。
患者本人からの聞き取り調査では、入院時より使用していた点滴スタンドのキャスター作動が悪かったので気を付けていたが、点滴スタンドに躓いて転んでしまったとのことであった。要因の一つに、点滴スタンドの点検整備不良が考えられた。 またコンビニへ行く前に看護師から一人で大丈夫か尋ねられたが、大丈夫と答えて一人で向かったので、自分の責任であるとも発言があった。しかしもともと杖歩行である上に感染性腸炎による緊急入院4日目と病状回復期であったこと、慣れない点滴スタンドを押しながらの歩行であり、付き添うか買い物を代行するなどの手段も考えられた。安静度がフリーとされていたが、安静度に関するアセスメント不足も要因の一つと考えられた。
点滴スタンドの点検は看護補助者により毎月1回実施しているが、緊急点検を実施した。 また病状回復期における安静度の設定、点滴スタンドの点検整備、適切な点滴スタンド使用方法についての注意喚起を多職種参加の医療安全対策カンファレンスで作成し、院内に周知した。
転倒した廊下の写真
当院で使用している点滴スタンド(アトムI.Vガートル台)