公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2017年08月25日(金)

事例番号 152

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
トイレ
【関連したもの】
ドア
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
閉じ込め
【主な原因】
B. 物の性能のリスク
発生内容

トイレ内の患者急変、開扉遅れによる救出困難事例。

詳細
循環器内科病棟入院中の患者。ECG装着しモニター監視していた。夜間ECGモニターアラームが頻拍で鳴り訪室すると、洗面所・トイレ周囲に血液汚染が多量にあり、患者はトイレ内で意識消失していた。扉は施錠していなかったが便座と扉の間に患者の身体が入り込み、折れ戸が開かない状態にあった。緊急対応の一斉放送を掛け、施設当直に連絡し開扉依頼するが、作業途中でモニター上心停止を確認した。死亡原因は胸部大動脈瘤破裂だった。
考えられる要因

トイレ閉じ込め対応として、開錠手順は標準化(コイン状の鍵を全部署に配布し手順を指導)している。今回は開錠されていたが、設備上、扉が中折れ戸だったため、患者の身体が障害となり扉が折り込めなかった。結果として、扉一枚を外す処置をとったが、地階の当直室から10F病棟までの移動時間と開扉に手間取り、作業時間は30分を要した。

対策

本事例をもとに、訃イレ扉の入れ替えを検討したが約5,000万円の費用が掛かる事から設備改善は見合わせた。しかし、施設職員に対し、3分程度でドアを全て取り外す開扉訓練を実行した。現在は施設当直する全職員が手技を理解している。

【4人部屋トイレ入り口】
広さ:2.34平方メートル
仕様:中折れ式

【在室時の状態】
便器の嘔吐していた途中失神し後方へ転倒。
⻑⾝で体躯の良い男性患者だったため、頭部が中折れ部分に臀部が便座に接触し、上体がその間に突っ張り棒のような状態になってしまった。頭部損傷のおそれがあり、押し込んで開扉することが出来なかった。

資料

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