【掲載日】2017年08月25日(金)
事例番号 197
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
病室
病室
【関連したもの】
窓、棚、カーテン
窓、棚、カーテン
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
落下物
落下物
【主な原因】
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
患者そばのタンス(患者ベッドに組で一つずつ備え付けてある)がベッド側に倒れた。ベッド柵に当たったことにより倒れたタンスが止まっていたので、ベッドに寝ていた患者に影響はなかった。現場スタッフに聞くと、過去にも同様の事例が数回発生しているとのこと。
ベッドのそばに患者の持ち物を収納するタンスが備え付けられている。タンスは窓際に設置され、窓にはカーテンがあり、日中カーテンは窓の両サイドにまとめられる。オムツ交換の際に、臭い対策として窓を少し開け換気をすることがあるが、風が室内側へ吹いたとき、カーテン(タンスのちょうど後ろに位置する)に風が当たり、カーテンがタンスの上側を押す形となり、タンスが倒れた。
タンスの下側には物を入れることは少ないが、上側の観音開きの扉の棚に物を収納することが多い。また、窓面の両サイド(カーテンがまとめられるあたり)の窓のみ1m程動くようになっており、窓面中央部の窓は開けることができない。
タンスの下側には物を入れることは少ないが、上側の観音開きの扉の棚に物を収納することが多い。また、窓面の両サイド(カーテンがまとめられるあたり)の窓のみ1m程動くようになっており、窓面中央部の窓は開けることができない。
荷物の収納状況からタンスの重心が高くなっており、上側を押すと倒れやすい状態である。換気のため窓を少し開けざるを得ないが、患者の状態に合わせて物品(家具)の配置を決めており、カーテンとタンスと窓が一直線になる位置関係となってしまうことがある。日中は採光のためカーテンを両サイドにまとめられるので、条件が重なると発生する可能性がある。
タンスの位置を変える案がでたが、この患者の場合は、家具の位置関係がその患者に合っているということで変更ができなかった。タンスをつっかえ棒や金具で固定する案が出たが、天井の強度が足りないこと、患者状況で配置が随時変わるので手間となることが問題となり採用されなかった。また、タンスを重心の低い物に選択できないかという案が出たが、リース品であるので実現は難しいとのことであった。
窓を開けないという方法もあるが、生活エリアでの臭気の問題であり、現場からは理解が得られない方法である。
実際の患者の画像ではないが、タンスとカーテンと窓の位置関係は写真の通り。