【掲載日】2024年12月06日(金)
事例番号 910
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
病室
病室
【関連したもの】
酸素ボンベ
酸素ボンベ
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
落下物
落下物
【主な原因】
A. 患者による使い方・置き方のリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
A. 患者による使い方・置き方のリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
酸素ボンベ交換時に、患者の足にボンベが落下し骨折
患者は在宅酸素導入のために入院していた。ある日、携帯用ボンベの酸素がなくなり、看護師に交換の依頼をした。患者は看護師が訪室した際、ベッドに端座位になっており、ボンベは携帯用バッグの中に入ったまま、患者の足元に置いてあった。看護師は作業のために、酸素ボンベに付けてあった流量計を持って持ち上げたところ、酸素ボンベが患者の足に落ちた。 その直後から患者は右拇趾に痛みを訴え、腫脹、皮下出血が出現したため、レントゲンを撮ったところ、右拇趾の末節骨に骨折がみられた。
要因
・患者は酸素ボンベ交換を看護師に依頼する間際に、作業効率が上がると考え、酸素ボンベと流量計を固定する2カ所のボルトをゆるめていた。 看護師は患者がまさかボルトをゆるめていると思わなかった。
→思い込み、危機管理能力の不足、コミュニケーション不足。
・携帯用酸素ボンベ交換マニュアルがなかった。
・交換した看護師は携帯酸素交換の知識、経験値が低かったが、単独で交換しようとした。
・患者から距離を取ることなく、足元で作業を行った。
・不適切な酸素ボンベ取り扱い。
→報告者は平常から、ボンベ本体を持ち運ぶ習慣がなかった。落下による怪我、破損など事例紹介とともに対策、酸素ボンベの取り扱いについて院内で研修などを行い学ぶ機会を設けていなかった。
医療安全研修、もしくは臨床工学技士からの入職時院内研修の内容として検討する。