【掲載日】(日)
事例番号 425
物的環境に関連する事例集
病室
歩行器杖ベッドその他
なし
転倒
A . 患者による使い方・置き方のリスク B. 物の性能のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
ベッドサイドテーブルが動いたことにより転倒。頭部をベッドの縁の角にぶつけたことにより、切創を負った事例。
15時のラウンド時に廊下で他患者から、Yさんが転んで血を流していると報告を受ける。病室を訪室すると患者はベッドに端座位となりタオルで頭部を押さえていた。靴は履いていなかった。後頭部の右側に創があったが、創は浅く圧迫で徐々に止血できた。創の長さは4cm程度あり、リクシアナを内服中である。当直医に報告し、圧迫して止血を確認できたら経過観察で良いとの指示あり。患者はトイレのために起き上がり、端座位となり水を飲んだあと、弾性ストッキングのまま、ベッドサイドテーブルにつかまりながら、歩行器に下げていた杖を取ろうとしたところ、テーブルが動いてしまい、バランスを崩し、滑るように転んでしまい、ベッドのレールのところでぶつけたらしいとのことであった。
患者は理解力があり、ベッド周囲の動くものにはつかまらないように指導はされていた。しかし歩行器の手前にベッドサイドテーブルが置いてあり、杖を取るためにベッドサイドテーブルに手をかけたと思われる。また患者の使用していたベッドは古いタイプのパイプベッドであり、転倒した際に頭部を打ちつけている。パイプベッドはレールの部分が露出している。よってその部分に頭部を打ち、切創を負った。
杖で歩行している患者の杖がどこに置いているのか訪室時に確認し、すぐに手の届く所へ置いていない場合は、ベッドサイドに置くよう指導する。弾性ストッキングや靴下で歩行すると滑りやすく、転倒のリスクが高いことを理解しているか確認しておく。オーバーテーブルを支えにしているような行動が見られたら、その都度危険であることを説明する。就寝前の環境を確認し、消灯する。
① 歩行器の手前に動くベッドサイドテーブルが置いてあった。歩行器に杖がかかっていたため、杖を取ろうとしたところ、テーブルが動いた。足元も滑り転倒。
② ベッドのレールの角になっている部分に頭部をぶつけた。
③ 電動ベッドがすべてに整備されておらず、写真のようなパイプベッドを使用している状況。
可能な限り、 電動ベッドを使用。ストッパー付きのベッドサイドテーブル導入の検討。