【掲載日】(日)
事例番号 460
物的環境に関連する事例集
その他
車椅子照明標識・表記機器
なし
挟み込み、医療機器等
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
MRI室への磁性体車椅子持ち込みによる吸着事故。
MRI検査後に患者が腰痛を訴え、起立歩行が困難となった。そのため放射線技師が検査室扉の外にある車椅子を急いで取りに行き、患者のもとへ近づいた。車椅子をMRI室に入れてすぐ、それが磁性体車椅子であることに気付いたが、車椅子がMRIに吸着されてしまい阻止しようとした技師が手を挟まれてしまった。 患者に接触はなく、無事だったが、技師は手指に外傷を負った。
本来MRI専用車椅子が置かれている所に磁性体車椅子が一緒に置かれていたため、誤認に至った。車椅子置き場は暗黙知となっており、場所の決まりが明確に規定されておらず、院内周知されていなかった。前室はあるが操作室と兼ねており、狭いため車椅子が通れず検査室から直接通路への出入りが行われていた。 MRI検査室の扉は一般通路に面しており、開けるとmRI室と通路が直接交通してしまう設計となっている。技師は前室を通らず暗いMRI検査室扉から明るい通路に直接出て車椅子を持ち込んでいる。また、車椅子はどちらも座面が茶色系統であった。
各車椅子の置き場所を明確に設定。患者が乗ってきた磁性体車椅子は定位置にチェーンで固定して動かせないようにした。 扉の周辺に立ち入り禁止区域を設定し、容易に入室できないように明示した。 MRI対応の車椅子やストレッチャー・点滴台は注意表示がよりわかりやすいようにした。MRIは原則技師2名体制とし、検査室に直接出入りする場合は、患者介助者と監視者の役割分担をして対応する。
【対策前】
車椅子は前室前に置かれるのが通例であった 。
通路からみたMRI室内部
【対策後】