【掲載日】2018年11月19日(月)
事例番号 507
物的環境に関連する事例集
洗面所・浴室
車椅子
あり
転倒
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
車椅子(狭小車椅子 LAC レボ)による転倒
デイサービス利用中、機械浴にて入浴後、介助者2名でシャワーチェアから患者持参の車椅子に移動、入浴係であった介助者1名は他患者の入浴のためその場を離れた。着替えの係の介助者1名が患者の足が斜めになっているのを発見し、患者の座位姿勢が悪いと判断したため、整えようと1名で車椅子ストッパーを止めていないまま、患者の両足を挙上した。患者の使用していた車椅子の背面には転倒防止バーがついていたが、送迎車の昇降時に邪魔になるため、上向きにあげられていた。車椅子の重心が後ろへ行き、患者ごと後方へ転倒。後頭部を打撲、その場にいたスタッフ数人で抱え上げたところ、後頭部から出血あり。バイタル確認、呼びかけに対し、反応なし。救急外来搬送し入院となった。
車椅子ストッパーを止めていないまま、両足を挙上した。患者の使用していた車椅子の背面には転倒防止バーがついていたが、送迎車の昇降時に邪魔になるため、上向きにあげられていた。患者も右麻痺があることから、自力での座位保持は困難であり、転倒しやすいと考える。そのため本来2名で介助となっていたところを、1名で実施しようとしたこと、車椅子のストッパー、背面の転倒防止バーをかけずに実施してしまったことなど、決められた介助方法が守られていなかったことが重なり、転倒につながったものと考えられる。
操作マニュアルを作成し、勉強会を開催した。車椅子を購入、レンタルする際に患者の体格を考慮した車椅子の選択をするよう家族指導を行った。
車椅子の後方にストッパーが着いている。