公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2018年11月19日(月)

事例番号 526

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
吸引器
【精神・意識障害の有無】
なし
【発生内容の分類】
医療機器等
【主な原因】
B. 物の性能のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク E. スタッフが作業する上での環境上のリスク
発生内容

吸引用ボトルに接続するはずの吸引用チューブを、中央配管にセットした 吸引器本体に接続して患者の吸引を行った。

詳細

気管切開を受けた患者からナースコールがあり担当の看護師Aが病室を 訪問すると、患者から喀痰吸引の希望があった。看護師Aは、患者の頭側 の中央配管にすでにセッティングされていた配管保護装置のついていない 古いタイプの吸引器のつまみを「OPEN」にして、吸引圧を確認後に吸引 カテーテルをチューブを接続し患者の喀痰吸引を行った。喀痰吸引を終え た看師Aが吸引器の吸引圧メーターを見ると針の動きがいつもと違うこと に気づいた。吸引カテーテルから吸引器本体までたどってみると、吸引 チューブが吸引ボトルではなく吸引器本体に接続されていた。すぐに病院 の施設担当者に吸引用んぽ中央配管を点検してもらったが、異常はなかっ た。看護師Aは、吸引器・吸引ボトル・吸引チューブがすでに中央配管に つながりセットされていたので、吸引前にチューブがどこにつながって いるか確認しないで患者の吸引を開始した。

考えられる要因

病院内の喀痰吸引に用いる吸引器は、ほとんどが配管保護装置がついて いない古いタイプである。 吸引用ボトルフィットフィックスをセッティングすると、吸引器本体の 正面にボトルがあり吸引ボトルのインレットエルボが吸引器本体に接続 されているか見えにくい。

対策

喀痰吸引前に吸引器の接続が正しく行われていることを確認する。 吸引器の接続方法や中央配管故障の危険性についての資料を配布し、 吸引器を取り扱う各部門で学習会を行ってもらう。 吸引器を配管保護装置つきタイプに切り替える。 事例紹介と対策を資料として配布し、リスクマネージャーに会議で 説明し実施を依頼した。

患者に使用するときは、貯留した吸引物が見えないようにボトルの覆いをしているので背後が見えにくい。

資料

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