公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2018年11月19日(月)

事例番号 547

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
トイレ
【関連したもの】
車椅子
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
その他療養上の世話
【主な原因】
B. 物の性能のリスク E. スタッフが作業する上での環境上のリスク
発生内容

車椅子のフットレスト裏面が皮膚に接触したことによる切傷

詳細
排泄のため看護師が患者を車椅子でトイレに誘導した。看護師が右側のフットレストを上げた時点(左側のフットレストは降りたままの状態)で、患者は「あ- もう出よる、濡れた」と切迫感を訴え、自分で便器に移った。看護師が寝衣に血液が付いているのに気付き、右下腿前面に縦10cm×横1cmの切傷を発見した。跳ね上げていた右側のフットレスト裏面が皮膚に接触したと予測された。患者は「どうしたんでしょうね。痛くも何とも無いですよ。」という反応であった。切傷は、バイポーラで止血後に10針縫合した。
考えられる要因

・フットレスト裏面は格子状であり、一見して鋭利な印象は無いため介助職員のリスク意識は低い。移乗の状況によっては直接身体に触れる面になる。筋力低下や浮腫、皮膚脆弱などがある患者の場合、接触により少しの力が加わっただけで皮膚損傷を生じる可能性がある。・裏側を平滑にした製品の販売は一部の種類のみである。また、病院で既に使用しているものについては、車椅子の性能として必要な要件は備わっているため、費用の面からも買換えには至らない可能性が高い。 ・厚手の靴下着用などの対策で、接触による皮膚損傷を予防しているケースもあるが、気温が高くなる季節は、暑い、蒸れる、白癬や湿疹などの問題があり常時の着用は困難である。

対策

・他職種ラウンドで発生状況を再現し、原因を分析した。作業療法士の指導のもと、フットレストが接触しにくい車椅子の設置位置、介助者の誘導方法を検討し、院内での周知を図った。・フットレストカバーを購入。カバーの数が限られているため、皮膚損傷のリスクが高い患者に使用することとした。

資料

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