公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2019年08月30日(金)

事例番号 664

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
外来待合室
【関連したもの】
エレベーター
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
離院・徘徊
【主な原因】
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
発生内容

離院の可能性

詳細
1階事務受付前エレベータから、車椅子を一人で自走して出てきて、外来待合スペースに向かって移動している患者を、近くにいたリハビリ職員が発見した。エレベータは、患者の離院事故予防対策として暗証番号入力にて開錠しないと作動しないことになっている。必ず担当職員が同行して病棟外に出ることが義務づけられているため「これはおかしい!」と思い、直ちに事務室にいた事務職員に連絡し、病棟への連絡を依頼した。患者本人に確認したところ、「特に用事は無いが、1階に降りてきてみた。」 と答えた。暗証番号をいえるか確認すると「5670」と答えた。リハビリ職員と事務職員の連携により、離院に至る前に発見することができた。
考えられる要因

この患者の入浴日であり、入浴後に車椅子に腰かけた状態で病棟ホールでお茶を飲みながら新聞を読んでいた。病棟職員は患者が車椅子で自由に行動できることは把握していたが、認知レベルの低下があり、暗証番号を覚えているとは思わなかった。健康な時は仕事上パソコン操作が日常の行動であり、キーボード操作には慣れていた。面会者の出入りの際のパネル操作や、ほぼ毎日リハビリ室や浴室への移動を職員と共にしており、職員が暗証番号を解除する際のパネル操作をみて、暗証番号を覚えたと考えられる。

対策

・ホールで過ごす場合は、木製の椅子にコールクッションをセットしたものに座り替えて過ごしてもらう。・エレベータのパネル操作をする際には、本人に見られないように職員の体で遮るなどして行う。・速やかに院内全体でこのインシデントを共有し、暗証番号を変更する。・階段からの転落転落などの危険性が考えられるため、夜間は階段ドアを閉め、施錠する。・車椅子で過ごす場合には、注意深く観察をすることとするが、車椅子に「離院お知らせセンサー」を取り付け、職員が気付かないうちの行動を把握し易くする。

資料

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