【掲載日】2020年12月04日(金)
事例番号 709
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
病室
病室
【関連したもの】
吸引器
吸引器
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
治療・処置
治療・処置
【主な原因】
B. 物の性能のリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
B. 物の性能のリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
設備の不備で迅速に吸引が施行できず、患者のSpO₂が低下した
胃癌にてロボット支援下幽門切除術が終了し、病棟へ帰室。術中に筋弛緩薬を25mg/h持続静注、18時半に持続投与終了し、25mg静脈注射を追加していた。抜管前評価は問題なく、19時半ごろに抜管し、病棟へ帰室し、準備したリカバリー部屋に入室した。20時34分に家族から呼吸困難感があるとナースコールがあり、看護師が訪室した。自己喀痰ができず、吸引を施行しようとしたが、吸引器(キューインポット)内に取り付けるディスポの排液パックが設置されていなかった。パックを補充し、再び吸引を行おうとしたところ、キャップコンテナユニットが脱落しており、吸引圧がかからなかった。看護師1名が吸引器の脱落部分を手で押さえ、もう1名の看護師が吸引を施行したが、吸引圧はかからなかった。そこで、別に用意した吸引器と交換し、吸引にて黄色粘稠痰が多量に引けた。吸引実施中に意識消失・全身脱力・呼吸停止となり、パルスオキシメーターで計測するとSpO₂31%まで低下していた。術後筋弛緩薬の再分布と考えられ、治療を行った。
・吸引器(キューインポット)のキャップコンテナユニットが脱落しやすいこと。
・手術後のリカバリー部屋の環境が整えられていなかったこと。
・機器点検を確実に行い、患者入室前にも点検を行う。