公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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活動成果

物的環境に関連する事例集

【掲載日】2021年10月26日(火)

事例番号 758

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
トイレ、外来待合室、救急外来
【関連したもの】
便器、ドア
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
閉じ込め
【主な原因】
B. 物の性能のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
発生内容

外来トイレでの患者閉じ込め事例を通じた安全対策  (調査検討・改修・啓発)

詳細
夜勤帯にウォークインにて救急受診された患者。 受付後、気分不良となり自身で救急入り口前のトイレへ移動。その後、トイレ内から大声がして、心配した妻がトイレのドア(内開き)を開けようとしたところ、中で倒れていた患者の体が障害物となり、ドアが開かなかった。駆けつけた職員にて対応するもドアが開かないため、ドア(木製)の中央部を、機材を用いて破壊し侵入、救命処置を行なった。
考えられる要因

当該トイレ内の構造
・空間: 便器とドアの間隔が狭い(座ったまま開くドアを交わすことができない)
・ドア: 内開き式・取り外し不可・木製・蝶番はトイレ内に位置している
※様態急変時、倒れた体がドア開排の障害物となり、外から侵入できなくなる位置関係

対策

建築業者も含めた調査検討
対策 1.問題解決策)当該トイレの用途およびドアの形状について
①用途の明示: 職員用トイレとする (ドア中央部に表示を設ける)(理由)トイレ内のスペースが狭く、様態が変動する患者用としては不向きであるため(患者用身障者トイレは別途正面にあり、そちらへ誘導)
②ドアの改良: 条件付内開き(※有事の際はジョイントを取り外すと外開きになる)(理由) エレベーター前に位置するため、外開き式やスライド式ドアは適さない。大規模な工事を必要としないため、工期も短くコスト面でも有用である
2.再発防止策)全館トイレにおける構造および対処方法の調査、職員への啓発  
・調査)全館トイレのドアの構造・鍵のタイプ・有事の際の対処方法  
・啓発)有事の際の各トイレに応じた対応方法の発信・啓発

トイレ内で様態急変時に、倒れた体がドア開排の障害物となり、外から侵入できなくなる。

有事の際には、ジョイントを取り外すことにより、外開きドアとなり、外からのアプローチが可能となった。 ドアの改修工事も、現行の枠組構造を活かすことができるため大幅な工事とならず、工期も短くコスト面でも有用であった。

資料

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