公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2021年10月26日(火)

事例番号 765

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
ベッド、酸素流量計、中央配管
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
落下物
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
発生内容

病室壁の中央配管に取り付けた酸素流量計落下により、患者が負傷した事例

詳細
患者の体位を整えるために看護師2名で訪室した。看護師がベッドの両サイドに立ち、患者の体を持ち上げベッド上部に移動しベッドに下した。そのタイミングで、病室壁の中央配管に取り付けられていた酸素流量計が外れ落下。患者の左前額部に直撃し皮下血腫と、挫滅創が生じた。主治医に報告しステープラーにて1針縫合処置を行った。
患者は前日に個室から2人部屋に急遽、移動した。移動を行ったのは看護師2名であり、その際に酸素流量計も移動し設置した。患者は継続的に酸素を吸入する必要がなかったが、脳血管障害後であり酸素飽和度が下がる可能性があり酸素がすぐに吸入できるように流量計を部屋に設置していた。
考えられる要因

床から130㎝のところに中央配管が設置してあった。患者のベッドは低床になっており、配管に接続していた酸素流量計から患者の頭までは70㎝の差があった。移動してから、患者の急変はなく酸素は使用していないことで接続が甘かったことに気づかなかった。また接続状態を確認することもなかった。患者の頭上に配管があることに対して危機感が低かった。危険予知ができていなかった 。

対策

中央配管の場所を変えることはできないので壁からベッドまで、ある程度の距離を空けるように、院内全体にアナウンスを行った。 使用しない酸素流量計は片付ける。

患者の頭上近くに中央配管が設置してある。 ベッドと配管の関係性。

中央配管に接続してあった酸素流量計。

資料

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