公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2022年10月25日(火)

事例番号 798

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
点滴スタンド
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
転倒
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
発生内容

移動式点滴棒のキャスターが外れたことによる転倒

詳細
移動式点滴棒(以下点滴棒とする)を使用していた患者。 点滴棒を使用し歩行中、5つのキャスターの一つが外れ、バランスを崩し転倒した。幸い、受傷はなく、経過観察となった。 点滴棒を確認すると、キャスターの一つに異なる規格の物が取り付けられており、正規の物より若干大きいサイズだった(取り付けられた経緯は不明)。そのため、両隣のキャスターが浮いた状態となっており、そのうちの一つが外れていた。 常に浮いた状態のキャスターは、横からの力を直接受ける状態となっており外れやすくなっていたと推察された。
考えられる要因

①現場から「とりあえず」使用できるようにしてほしい、という修理依頼があがること
②使用できなくなった機器から様々なパーツを外して保管し、修理依頼があった時に「間に合わせ」の部品ですぐに対応できる課があること、また、この対応に問題意識が無かったこと
③使用していた点滴棒にぐらつきはあったが、使用に問題が発生していなかったこと
④使用していたものの他に古い点滴棒が多く、キャスターの回転が良くないものも使用せざるを得なかったこと
⑤各種機器保守点検表に不具合があった時は「修理を依頼してください」と記載してあったこと

対策

①現在使用している備品・器材等、患者が使用するものに「間に合わせ」の部品を用いて「とりあえず」使用しているものはないかを、確認した
②この事例を看護部リスクマネジメント委員会で共有し、備品や器材は取扱い説明書に則り使用・修理依頼するよう説明した
③どの備品・機器についても、原則使用前には不具合がないかを点検してから使用するよう注意喚起した
④看護部主導で、点滴棒を一定数ずつ交換する計画的購入を進めることとした
⑤機器保守点検表の記載内容を不具合があった時には「修理を依頼してください」から「責任者に報告してください」に変更、修理依頼を1人で判断しないようにした

キャスターが外れたところ

外れたキャスター どこかが折れている、破損している等の不具合は無かった

中央手前 キャスターが外れた箇所 右上部に規格の異なるキャスターが取り付けられていた

資料

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