公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2023年02月10日(金)

事例番号 816

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
転落、その他
【主な原因】
B. 物の性能のリスク C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
発生内容

夜間、高齢男性が窓からベランダへ出ていた

詳細
夜勤中、看護師2名で巡視、体位交換に訪室していたところ、病室外のベランダから物音が聞こえ、外を確認すると、高齢男性がベランダにいる姿を確認した。 (病室は5階でありベランダの幅120㎝、柵130㎝で設置してあった。) 患者は入院から6日目であり、入院前は自宅暮らしであり、認知機能の低下はなく、入院してからも、特に危険行動など変化は見られなかったが、発見時、環境の変化からせん妄をきたし、辻褄のの合わない発言が聞かれた。
考えられる要因

窓が全開になることでベランダへの飛び出し、転落の可能性があり、開閉制限のため、簡易ロック(画像2)を窓に設置し転落予防対策を行っていた。 退院時清掃の際は、ロックの確認を行っていたが、長期使用に伴いゴムの永年劣化により、ストッパー機能が徐々に低下してきており、男性の力で何度か開け閉めすることで、徐々に窓が開いていった可能性がある。 窓は床から90㎝の高さにあり、容易にベランダに出られる高さであった。 高齢者が慣れない環境で安全に暮らせるように、自宅での習慣の聞き取りなどせず、病院内のルールを順守しており、患者の不安を増強させた可能性がある。

対策

全病室、廊下など簡易ロックからねじ式へ変更。(画像1)
10㎝で固定し、隙間からも出られないようにした。

ロック方法をねじ止め式に変更した後

簡易式のロックを使用していた頃

※掲載している事例データ全ての2次利用ならびに引用・転載を禁止します。

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