【掲載日】2023年02月10日(金)
事例番号 817
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
病院の外(敷地内)
病院の外(敷地内)
【関連したもの】
段差、照明
段差、照明
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
転倒
転倒
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
深夜、病院駐車場内車止めに躓いて転倒し、骨折に至った事例
胆石発作で救急要請した75歳の男性患者は、1時半過ぎに治療を終えた。家族が自家用車で来院していたので、会計を終えて一緒に救急外来を出たが、自家用車に向かう途中、階段付近の暗闇の拡がる病院駐車場の車止めにつまづき、転倒した際左膝蓋骨開放骨折した。転倒事故のあった駐車場は、7,8段の階段(スロープあり)を降りたところにあり、病院建物の光から影になっており、さらに駐車場内の電灯からも離れていたため、かなり暗い状況であった。家族が救急外来に助けを求めに戻ってきたので、救急看護師が車いすで迎えに行き、そのまま入院となった。
・駐車場内の電灯や周囲の街灯が少ない、または暗かった
・家族が停めた自家用車の場所を患者は知らなかったため、駐車場の状況(暗いこと)を把握していなかった
・病院の建物からの光が、階段下の駐車スペースの影を作り、余計に暗くなった
・車止め自体に表示(発光ペイントなど)がなく、コンクリート素材であったため、暗闇に同化した
・車が駐車していない場合、駐車場の端の通路は境界が不明確となり、どこからが駐車場なのかがわかりにくい
駐車場内の電灯を増やす、または明るくするように依頼した。結果、周囲の住宅等への影響などから、明るくできないとのことだった。そこで、一旦、通路側の駐車スペースの車止めを撤去した。
階段下の通路横駐車スペース。白線のところにある車止め(右側)につまづいた。
車止めを撤去したあと
建物と駐車場の位置関係がわかるもの