【掲載日】2012年10月15日(月)
侵襲的な検査での誤認防止について
【発信日】 | 2012年10月15日(月) |
【部会名】 | 検査・処置・手術安全部会 |
提言
公益財団法人日本医療機能評価機構の検査・処置・手術安全部会は、2005年12月20日に提言「誤認手術の防止について」を発信した。その内容は、「手術承諾書、リストバンド、マーキング等を用いて患者誤認、手術部位誤認、手術手技間違い、手術器材間違い、を防ごう」であった。
2011 年度に協議会会員病院に行ったアンケートによれば、患者と手術部位の確認は年々改善され実施率は86.1%まで達しているが、侵襲的な処置を伴う内視鏡検査、放射線検査で、手術と同様な確認行為を行っているのは3.3%に過ぎないことが判明した。
そこで当部会は侵襲的手技をともなう検査時の誤認を防ぐために以下の提言を行う。
1. チェックリストの使用
手術と同様にチェックリストを用いて漏れのない確認を行う。検査室に患者を搬送する前に、チェックリストに従って、診療録、承諾書、リストバンド等を用いて、患者名と本人を照合し、処置名、処置部位を確認する必要がある。
2. 患者とともに氏名、生年月日、処置名、等を確認する
患者の意識が清明であれば、患者に氏名と生年月日、処置内容等を確認してもらう。意識障害あるいは小児等で患者による確認が難しい場合には家族の協力を得て確認する。それも難しいときには、複数の職員がリストバンド等の文字をなぞりながら患者名を発声して確認する。
3. タイムアウトの実施
侵襲をともなう内視鏡検査、放射線検査等を行う場合には、検査直前に医師、看護師、技師は一斉に手を止めて、同意書、カルテ、リストバンド、等を用いて、患者氏名、手技名、処置部位等を確認する。
4. 職員間のコミュニケーションを高める努力を!
Joint Commission によれば誤認の原因としてコミュニケーションエラーが最も多いと報告されている。医師、看護師、技師、等のチームメンバーは安全活動の意義を理解して診療に積極的に関わり、職員間のコミュニケーションを高める努力が必要である。