【掲載日】2023年08月17日(木)
[開催報告]2023年度 第1回 検査・処置・手術安全セミナー(7/17)を開催しました
【開催日】 | 2023年07月17日(月) |
【部会名】 | 検査・処置・手術安全部会 |
活動成果
2023年度第1回 検査・処置・手術安全セミナー
「Hand-off手術部門からの引き継ぎ・情報伝達を考える」
今年度第1回目の検査・処置・手術安全セミナーは、2023年7月17日(月)13時~17時半に「Hand-off 手術部門からの引き継ぎ・情報伝達を考える」をテーマとして、オンライン形式にて実施しました。当日は、3連休の最終日でしたが14施設29名(内1名は聴講)の参加をいただき有難うございました。
本セミナーは①参加者が引き継ぎの目的や目指す姿についてともに考え方向性を見出せること②参加者の医療施設での術後の引き継ぎ業務を質管理の観点から標準化すること、を目的としています。そのため、最終目標は参加者の施設で引き継ぎの標準作業手順書(Standard Operating Procedures:SOP)を作成し組織の課題を解決することとしました。
本セミナーは2020年より実施していますが、毎年検査・処置・手術安全部会メンバーで振り返りを行い、参加者にとって役に立つものとなるようにその都度ブラッシュアップをしてきました。前回のアンケートより消化不良の状態で終わっていることが分かり、セミナー時間を30分追加し4時間半としました。また、参加者の負担とならない程度の事前学習を追加し、当日のグループワークがより充実する工夫を行い実施しました。
当日は、安田あゆ子先生から趣旨説明があった後に、1回目のグループワークを行いました。このグループワークでは、何を重視して術後の引き継ぎをしているか、普段行っている術後の引き継ぎの課題は何かを「送り側」と「受ける側」に分かれて意見を出し合い、Googleスライドにまとめ、グループごとに発表を行い、参加者間で共有しました。セミナーの後半では、安田先生より米国Joint Commissionの8Tips for High-Quality Hand-offsをもとに「質の高い引き継ぎのための8つのヒント」についての解説、「標準化とは」、「いつもの業務をどう決めるか」について講義を行った後に、2回目のグループワークを行いました。このグループワークは、同じ施設の参加者が同グループとなり、グループ内のいずれかの施設を取り上げ「引き継ぎ業務をプロセスフローチャート(PFC)で表す」ことを実施しました。PFCの作成はGoogleスライドを使用し、予め設定されたスタート地点とゴール地点をもとにその間をグループメンバー同士で意見交換を行いながら埋め、グループごとに発表し、参加者間で共有をしました。
最後に安田先生より目指す姿は「達成する」だけではなく、「達成し続けること」が大切であること、SOPについて説明がありました。参加者自身の施設でPFCを完成させ、術後引き継ぎのSOPを作成することが事後課題として提示されました。
参加者によるセミナーの感想は、「他施設の情報を知ることができた」「自施設の課題が明確になった」「患者目線で考えることを改めて実感した」などのご意見があり、満足度の高いセミナーとなったと考えます。一方、事前課題として「医療のプロセスフローチャート(PFC)について」を今年度より追加しましたが、PFCについてなじみのない参加者も多く、安田先生の講義内容とどう繋げるのかイメージが不十分であったことから、患者を中心とした議論の発展が難しく今後の課題となりました。
3カ月後、参加者の施設における術後の引き継ぎのSOPがどのように作成され自施設の改善に至ったのか報告を楽しみにしたいと思います。
検査・処置・手術安全部会 部会員 箱田 美知恵
(北里大学病院 医療の質・安全推進室 看護係長)
※本セミナーは見逃し配信を行っておりません。
◆ 検査・処置・手術安全部会 部会員一覧
◆ プログラム
13:00~13:10 事務局オリエンテーション、開会挨拶(部会長 長谷川隆一先生)
13:10~14:15 趣旨紹介とグループワーク①(司会:部会員 安田あゆ子先生)
14:15~14:25 休憩
14:25~14:55 プレナリー(講師:安田あゆ子先生)
14:55~17:10 趣旨紹介とグループワーク②
17:10~17:20 質疑応答
17:20~17:30 総括・閉会挨拶、事務連絡
※グループワークのファシリテーターは検査・処置・手術安全部会 部会員が担当しました。