【掲載日】2023年12月06日(水)
[開催報告]2023年度 第2回 検査・処置・手術安全セミナー(11/7)を開催しました
【開催日】 | 2023年11月07日(火) |
【部会名】 | 検査・処置・手術安全部会 |
活動成果
2023年度第2回 検査・処置・手術安全セミナー
「どうする?転倒・転落予防 ~会員病院における工夫と実践~」
今年度第2回の検査・処置・手術安全セミナーは2023年11月7日(火)17:30~18:30に「どうする?転倒・転落予防 ~会員病院における工夫と実践~」をテーマとして、オンライン形式Zoomウェビナー配信で行いました。北は北海道、南は沖縄まで100床未満から1000床を超える病床数の幅広い施設より約400名と多くの参加をいただきありがとうございました。
当日は、最初に武蔵野赤十字病院看護部看護師長の黒川美知代先生から「どうする?転倒・転落予防」と題し教育講演をしていただきました。病院における転倒・転落の発生状況を日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業のデータを用いて説明され、転倒・転落予防に関してあらゆる角度から解説していただき現状や課題を明確に示されました。
座長の西條文人先生の進行で2施設の会員病院より、転倒・転落予防の取り組み事例の発表がありました。まずは、島根大学医学部附属病院 医療安全管理部 GRM 薬剤主任の遠藤進一先生より「当院における転倒・転落リスク軽減の取り組み~患者への周知~」次に特定医療法人社団若林会 湘南中央病院 回復期リハビリ病棟の山本雅史先生より「自立患者の転倒転落を予防せよ~医療安全小委員会 患者・家族参加型の転倒転落対策への取り組み~」と題して発表していただきました。どちらも多くの転倒・転落に悩まされた結果、患者・家族への注意喚起ポスターやパンフレットの工夫、患者・家族参加型、多職種チームとしての取り組み等、どれも他施設においても参考になる内容でした。
最後に部会長の長谷川隆一先生が加わり、質疑応答・全体協議を行いました。多職種間の部署から部署への引き継ぎ時がうまくいかないという課題に対しては、情報をいかに引き継いでいくことが大切で、転倒・転落リスクを申し送ることやタイムアウトの時に共有する等の工夫例の紹介がありました。黒川先生からは日本転倒予防学会において推奨されている履物の紹介や、履物自体の要因に限らず、職員が履物に注目すれば足下に視点がいくようになり、裾の長いパジャマや点滴ルートなど危険な因子を発見に繋がるという助言がありました。多職種連携においては医師の不眠時指示の見直しにおいて、非ベンゾジアゼピンを推奨し取り組んだ結果、実際に処方が増えベンゾジアゼピン系の処方が減少した例について遠藤先生から紹介がありました。また、医師を転倒・転落予防対策に巻き込む方法については、転倒・転落件数が減少した成果データを医師に示すなどアイデアを黒川先生よりいただきました。参加者の施設においても同様の課題や悩みを共有でき、診療やケアにすぐに役に立つ内容と考えます。その他に数多くの質問が寄せられましたが、時間の都合上一部の回答のみとなりました。
参加者によるセミナーのアンケート結果では、「有意義であった、やや有意義であった」が97.0%を占めており「他施設の取り組み等知ることができ、自施設の活動に活かしたい」「多職種がチームとなって活動することが重要であると再認識できた」などの多くのご意見をいただき、満足度の高いセミナーだったと思われます。
検査・処置・手術安全部会 部会員 田口 由美子
(熊本大学病院 中央手術部 看護師長)
◆ 検査・処置・手術安全部会 部会員一覧
◆ プログラム
■開会挨拶・検査・処置・手術安全部会の活動について
長谷川 隆一(部会長/獨協医科大学埼玉医療センター 集中治療科 学内教授)
■教育講演「どうする?転倒・転落予防」
座長:西條 文人(部会員/東北大学病院 医療安全推進室/総合外科 講師)
演者:黒川 美知代(武蔵野赤十字病院 看護部 看護師長)
■会員病院の取り組み事例発表
座長:西條 文人
「当院における転倒・転落リスク軽減の取り組み~患者への周知~」
遠藤 進一(島根大学医学部附属病院 医療安全管理部 GRM 薬剤主任)
「自立患者の転倒転落を予防せよ~医療安全小委員会 患者・家族参加型の転倒転落対策への取り組み~」
山本 雅史(特定医療法人社団若林会 湘南中央病院 回復期リハビリ病棟)
■質疑応答・全体協議
座長:西條 文人
進行:長谷川 隆一
■総括・閉会挨拶
長谷川 隆一
◆ アーカイブ配信
2023年12月6日(水)~2024年5月31日(金)まで、会員病院限定でオンデマンド配信をしています。
➡2023年度 第2回 検査・処置・手術安全セミナー(オンデマンド配信)