【掲載日】2024年11月18日(月)
[開催報告]2024年度 第1回 検査・処置・手術安全セミナー(10/9)を開催しました
【開催日】 | 2024年10月09日(水) |
【部会名】 | 検査・処置・手術安全部会 |
活動成果
2024年度第1回 検査・処置・手術安全セミナー
「その身体拘束、誰を守るためのもの?」
今年度第1回の検査・処置・手術安全セミナーは、2024年10月9日(水)17:30~18:30に、テーマは「その身体拘束、誰を守るためのもの?」としてオンラインシンポジウム形式(Zoomウェビナー利用)で開催しました。
令和6年度の診療報酬改定で、身体拘束を最小化する取組の強化や、医療機関において組織的に身体拘束を最小化する体制を整備することが提示されました。
その影響は医療現場で働く私達には大きく、課題としてどのように取り組むことが良いのか悩んでおり、今回のセミナー参加希望者が約600名という数からも感じられました。夕方の時間にもかかわらず、多くの皆様にご参加いただき有難うございました。教育公演としてトップランナーの2人の先生から貴重なお話を伺うことができました。質問もQ&Aから活発に寄せられ、時間の都合上すべての質問にお答えしていただくことはかないませんでしたが、参加者アンケート結果から「有意義」「やや有意義」の回答割合が98%を超える結果となりました。
教育講演1では、名古屋市立大学大学院 看護学研究科 精神保健看護学准教授 桐山啓一郎先生から「身体拘束と医療安全」についてご講演いただきました。
質問でも出ていましたが、チームでの活動として週1回全拘束患者のラウンドを実践されていたそうです。まずは、その病棟のスタッフを労い、どうすれば拘束しないで対応できるかを一緒に考えるという桐山先生の姿勢は、患者はもちろん現場のスタッフにも寄り添って実践されていたことを知ることができました。まず、できることとしてルーティンで行われている身体拘束を見直すことが、3原則を念頭においた上で大切なはじめの一歩だと思います。
つづいて教育講演2では、国立がん研究センター東病院 精神科腫瘍科 科長 小川朝生先生から「身体拘束最小化に多職種で取り組む」についてご講演いただきました。
多職種でのアプローチとして医師をどのように巻き込むかについては、不眠時指示・不穏時指示での薬剤について、既存のクリニカルパスに盛り込まれている薬剤について見直しを行い適切な薬剤指示をお願いすることを述べられました。入院患者の高齢化の中で、手術の選択をされる患者がおり、術前にせん妄について患者や家族に予備教育として実践する重要性についても強調されていました。
今回実施した身体拘束のセミナーの第2弾を予定しており、2025年1月23日(木)の夕刻に、身体拘束に関する実践報告セミナーを開催予定です。皆様のご参加をお待ちしております。
検査・処置・手術安全部会 部会員 亀森 康子
(自治医科大学附属さいたま医療センター 医療安全・渉外対策部 医療安全・渉外対策副部長)
◆ 検査・処置・手術安全部会 部会員一覧
◆ プログラム(敬称略)
■開会挨拶・検査・処置・手術安全部会の活動について
長谷川 隆一(部会長/獨協医科大学埼玉医療センター 集中治療科 学内教授)
■教育講演①「身体拘束と医療安全」
座長:亀森 康子(部会員/自治医科大学附属さいたま医療センター 医療安全・渉外対策部 医療安全・渉外対策副部長)
演者:桐山 啓一郎(名古屋市立大学大学院 看護学研究科 精神保健看護学 准教授)
■教育講演②「身体拘束最小化に多職種で取り組む」
座長:亀森 康子
演者:小川 朝生(国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 科長/国立がん研究センター 先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野長)
■質疑応答・全体協議
座長:亀森 康子
進行:長谷川 隆一
■総括・閉会挨拶
長谷川 隆一
◆ アーカイブ配信
2024年11月18日(月)~2024年4月30日(水)まで、会員病院限定でアーカイブ配信をしています。
➡2024年度 第1回 検査・処置・手術安全セミナー(アーカイブ配信)