【掲載日】2020年12月04日(金)
事例番号 711
物的環境に関連する事例集
エレベーター
点滴スタンド、エレベーター
無
転倒、衝突・接触
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
エレベーター内での転倒事例
・2016年設置後初めての転倒事例。エレベーター内のかごと外枠の段差・かごと外枠の間隙もほぼなく、施設設備上の大きな問題はなかった。
・一般乗用エレベーターのため、面会等で利用される方も同乗されるが、他患者の家族からの報告から、事故発生時、エレベーターの利用は患者1人だけではなかったかと予測され、他者の関与する要因もなかった。
・エレベーターホールには外光は入らないが、照明も明るく、空調設備も整っている屋内であり、環境的要因も考えにくい。
・点滴スタンドは6本脚で安定感のあるものだったが、持ち手の位置、輸液ポンプの設置の位置がやや上部に取り付けられ、点滴薬剤も重く、重心が高かった。
・輸液ポンプの設置位置や方向、その他の注意事項等について、点滴スタンドには説明文が取り付けられていたが、職員が添付文書の内容を熟知していなかった。特別な注意が必要である点滴スタンドだという認識がなかった。(トップIVスタンド タイプN))
・患者が単独で歩行時に注意する内容の指導も不足していた。
・施設・環境に関する対策は特になし
・設備面での対策 点滴スタンド(トップIVスタンド タイプN)使用上のCHECK項目についての情報収集を行い、持ち手の高さと点滴ポンプの設置の高さ、輸液ポンプの設置方向、歩行時の点滴スタンドの進行方向等の注意事項について、看護師・看護助手・理学療法士へ周知した。
・その他の対策 単独で、点滴スタンドを引いて歩行する患者さんへ歩行時の注意点や、エレベーター乗降時の注意・説明を行う事、職員が患者の護送時にも一般乗用エレベーターを使用する事があったため、職員とともに移動する場合は、一般乗用エレベーターを使用せず、職員エリアのエレベーターを使用し、一般乗用エレベーターが混雑しない事と、安全確保できるよう注意喚起した。
2016年1月に新築稼働しているエレベーターの為、隙間・段差はほぼない。
スタンドは6本脚で安定性はあり、キャスターも可動性が良く軽く動きやすいものであった。
転倒により約45度曲がってしまった点滴スタンド
メーカーからの使用上の注意点はスタンドに付けられていたが、熟知されていなかった。 スタンドに設置する持ち手は手首の高さとし、進行方向・スタンドを持って歩く時の足の位置、輸液・シリンジポンプの設置位置について看護師、看護助手に再度周知を行った。