【掲載日】2023年06月06日(火)
事例番号 840
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
トイレ
トイレ
【関連したもの】
ドア
ドア
【精神・意識障害の有無】
無
無
【発生内容の分類】
閉じ込め
閉じ込め
【主な原因】
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
外来ブースでのトイレ内急変
頭痛を主訴として外来受診を希望され、当院に独歩で来院。総合案内看護師と症状について話をしている際に、「気持ちが悪いからトイレに行きたい」と言われ、トイレに中座。5分ほど待っても帰って来られないため、トイレに様子を見に行くと返答なく、トイレ内に入ったままの様子。トイレのドアを開けようと思ったが、解錠するものが手元になく、たまたま通りかかった清掃員に声を掛け、解錠していただく。その際、患者はドアの前に倒れており、内開きのドアであったため、直ぐに患者を救出出来ず。数名のスタッフでバタバタしているうちにドアが外開きになり、患者を救出するスペースが確保出来た。患者はトイレ内でCPA状態で倒れており、速やかにCPRを開始した。この時、現場にいたスタッフは全員が「何故、急にドアが外開きに出来たのかわからないが、外開きになったことで患者を救出出来た」と回答した。
当院は新築移転し1年が経過。3階までの外来棟スペースはトイレの施錠がスライドバー式のもので、ドアは内開き仕様になっていた。解錠方法はすぐにわかるが、解錠するのものが身近になかった。また、患者の救出もしくは処置スペースを確保するための場所を作るために、ドアを外開きに出来る手法を知らなかった。施設管理者からの伝達もなかった。
ドアを速やかに解錠出来るよう、解錠用金具(十円玉サイズの丸ワッシャー)を購入し、外来ブースのトイレに設置。 解錠方法及び外開き方法の手順書を作成し、それを配布しながらブース毎の責任者に手順を説明。スタッフの方にも数名ずつ集まって頂き、実際に体験していただいた。各ブースのスタッフには順次伝達し、体験していただく予定である。 今後は医療安全だよりにも掲載し、病院スタッフ全体に周知していく予定である。
通常のドアの内部状態 外開きには出来ない仕組みになっている
丸ワッシャーをトイレ内スロップシンク(SK)内に設置
開錠後ロックが外れ、スライドバーをさらに中側に押し込められるため、ドアが外開きに出来る
外開きに出来ることを確認するスタッフ