公益財団法人 日本医療機能評価機構 認定病院患者安全推進協議会

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物的環境に関連する事例集

【掲載日】2021年10月26日(火)

事例番号 756

物的環境に関連する事例集

【発生場所】
病室
【関連したもの】
ベッド、窓、壁
【精神・意識障害の有無】
【発生内容の分類】
転倒、挟み込み
【主な原因】
D. スタッフによる物の不適切な使用・利用・選択・設置・確認不足によるリスク
発生内容

ベッドと壁の隙間に首がはさまり窒息しそうになった事例

詳細
80歳代、男性。認知症あり。尿路感染症、敗血症で入院5日目。転倒・転落アセスメントスコア危険度Ⅱ。低床ベッド使用、ベッドを壁寄せしていた。またベッド上で四つん這いになることがあったが、柵を乗り越えることはなく赤外線センサーを設置していた。不整脈があるため心電図モニターを装着していた。
深夜1時頃、心電図モニターのアラームが鳴ったため看護師が訪室すると、患者がベッド上で腹臥位、ベッド頭側のフレームに首がかかった状態で意識消失、呼吸減弱していた。仰臥位に戻し、下肢挙上、酸素投与で回復した。
考えられる要因

・大部屋(4人床)の窓側の角に出ずみ(構造物の柱による出っ張り)がある。
・転倒転落予防のためにベッドを窓側に寄せていたが、出ずみがあるためベッド頭側と壁の間に30㎝程の隙間が生じた。
・患者がベッド上で四つん這いになり、そのまま何らかの拍子で倒れこみ、隙間に首がかかってしまったと推測される。
・赤外線センサーの感知範囲外で患者が動いたため、センサーが感知しなかった。

対策

・ベッドを壁寄せする必要がある場合、窓側ではなく廊下側で行う。
・不必要な隙間が生じないベッド配置
・過去に経験したことがない事例だったが、ベッドのどこでも同じ状況が発生する可能性があることが示唆された→行動予測、センサー選択方法の見直し
・ベッド周囲の環境整備

ベッドの壁の隙間

再現写真

赤外線センサーの感知範囲

資料

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