【掲載日】2023年02月10日(金)
事例番号 837
物的環境に関連する事例集
【発生場所】
トイレ
トイレ
【関連したもの】
車椅子
車椅子
【精神・意識障害の有無】
有
有
【発生内容の分類】
閉じ込め
閉じ込め
【主な原因】
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
C. 不適切な環境設定・維持管理不足によるリスク
トイレでの閉じ込め
89歳男性、丹毒にて入院。認知症あり。休日夕食配膳時、患者の姿が見当たらないのに気づき探していると、トイレから患者の声が聞こえてきた。患者は腹痛があり、車椅子を自走しトイレに入ったと話した。外から開けようとしたが、ちょうど中折れタイプの扉とトイレの便器の間に車椅子が引っかかり扉を開けることが出来なかった。そのため、患者に扉の開けることが出来るスペースへの移動を依頼するが、看護師の指示を理解して実施することが出来ず、また、車椅子用の転落防止の安全ベルトを装着していたため、立ち上がることもできなかった。 そのため、扉を外すことになったが、そのトイレは閉じ込められた際に扉を外すことのできる「安全装置付き」の仕様になっていなかった。施設課当直に連絡し対応を依頼したが、休日夕方で委託業者が担当している時間であった。施設課当直者は慣れていなかったこともあり、扉を固定してあるネジを外す工具を探し、実際ネジを外すのにも難渋したため、閉じこめられてから救出するまで1時間を要してしまった。
トイレが病室の入口と入口の間の廊下側に設置されている。他のトイレはすべて引き戸であったが、当該事例のトイレだけ引き込む部分が病室の構造上取れず、中折れ戸が設置されていた。院内に他に2カ所中折れ戸の設置あったが、閉じ込め時に扉を外すことのできる「安全装置」があるものが設置されていた。これらは当該事例のトイレの2年後に設置されていた。
院内トイレの中折れ扉の調査、安全装置の確認。 今回の事例を受け、緊急事態に扉を外すことのできる仕様に変更する工事を実施した。
閉じ込めのあった中折れ戸
トイレの両隣の個室の引き戸の引き込みスペース確保のため中折れ戸になった
他病棟の中折れ戸には安全装置がある(開け方の表示部分)